支笏洞爺国立公園とは

北海道といえば、ズワイガニやウニなどの新鮮な海の幸やソフトクリームやキャラメルなどの乳製品が美味しい！というイメージがありますよね。そんな美味しい産物を生み出す北海道は自然も豊かで美しく、観光名所も数多く存在しています。

中でも、支笏洞爺国立公園は北海道の総面積の約1割を占める広大な公園で、山や湖、温泉も敷地内にあり、見どころ満載です。

今回は、そんな自然豊かな観光スポット、支笏洞爺国立公園についてご紹介していきます。
ぜひこの記事を参考に、支笏洞爺国立公園の壮大な自然に触れて、心も身体も癒される体験をしてみて下さいね！

支笏洞爺国立公園とは

支笏洞爺国立公園は、993 km²の広大な面積ほ誇っており、北海道の南東に位置しています。北海道全体の面積が83,450 km²なので、支笏洞爺国立公園は北海道の約11％の面積を占めているということが分かります。

この支笏洞爺国立公園は2つの巨大な湖と3つの山などが含まれている広大な公園です。
2つの湖はそれぞれ支笏湖（しこつこ）、洞爺湖（とうやこ）という湖で、カルデラ湖という火山の噴火によってできた湖です。

支笏湖は今から約4万年前、洞爺湖は今から11万年前の噴火によって湖が形成されたといわれています。そのため、その周辺には手つかずのままの自然が多く残っています。

3つの山は、それぞれ羊蹄山（ようていざん）、有珠山（うすざん）、樽前山（たるまえさん）で、どれも過去1万年前以内に噴火したことがある活火山です。

支笏洞爺国立公園は、その自然の豊かさや貴重な地質などが評価され、平成21年には日本で初めて「ユネスコ世界ジオパーク」に登録された場所としても有名です。

他にも、広大な景色が見渡せる展望台や、豊かな自然が満喫できるキャンプ場、大自然を感じながらリラックスできる温泉施設なども数多くあります。
新千歳空港からも近く、市街地からも行きやすいということもあり、毎年多くの観光客が訪れているので、北海道旅行を検討されている方はぜひ足を運んでみてください。

支笏洞爺国立公園までのアクセスは？

東京からのアクセス

・新幹線

東京駅からだと、ＪＲ新幹線はやぶさに乗り新函館北斗駅で乗り継ぎ、ＪＲ特急北斗線で札幌まで行きます。札幌駅と支笏洞爺国立公園の間の新幹線ルートはないので、札幌駅に到着した後は北海道中央バスで支笏湖バスターミナルまで行きます。
新幹線の時間7時間35分とバス乗車時間50分の合わせて、少なくとも8時間半はかかると見積もっておいた方が良いでしょう。

・飛行機

羽田空港からだと、ルートは2つあります。１つは羽田空港から新千歳空港へ行き、北海道中央バスで支笏湖バスターミナルへ向かう方法です。このルートだと、飛行機間の95分とバスルートの55分で合計150分、2時間半かかります。

もう１つは、羽田空港から新千歳空港へ向かった後、JR千歳線・室蘭本線に乗って南千歳駅に行き、そこから登別駅、そしてJR室蘭本線で洞爺駅へ行く方法です。このルートだと飛行機の95分と電車の155分、合わせて約4時間かかります。
このルートは前者よりも時間がかかりますが、洞爺湖温泉に最も近いルートなので、到着後ゆっくり温泉に入りたいという方にはおすすめのルートです。

・車

　東京駅からだと有料道路、フェリーの利用も含めて約15時間かかります。青森県の大間函間をフェリーで乗り継ぎますが、その時間は約９０分程です。
到着時刻は当日の道路の状況や、フェリーの発着時間にも左右されるので、車で移動する場合は混雑するお盆などの時期を避けたほうが無難です。また、フェリーの運航時刻などもあらかじめ調べたうえで、余裕をもって計画するといいでしょう。

大阪からのアクセス

・新幹線

大阪駅からだとJR東海道・山陽本線に乗って新大阪まで行き、のぞみ新幹線で新大阪から東京まで行きます。
そのあと、はやぶさで新函館北斗駅までいき、特急札幌行きの北斗で札幌駅まで向かい、そこからは新幹線や電車ルートがないので、北海道中央バスで支笏湖バスターミナルまでいきます。
大阪から札幌までの新幹線のルートは、出発する時間帯によってもいろいろと行き方があります。
所要時間も12時間～17時間と幅があるので、到着したい時間からさかのぼって計画を立てるとgoodです。

・飛行機

大阪から飛行機で行く場合、関西空港と伊丹空港の2か所から新千歳空港に行くルートがあります。
関西空港から新千歳空港だと1時間50分、伊丹空港からの場合も同じく1時間50分かかります。

新千歳空港から支笏洞爺国立公園までのルートは、北海道中央バスで支笏湖バスターミナルまで向かう方法と、JR千歳線・室蘭本線に乗って南千歳駅に行き、そこから登別駅、そしてJR室蘭本線で洞爺駅へ行く2つの方法があります。

・車

大阪市からのルートだと、フェリーの乗車時間も含めて合計で20時間から21時間ほどかります。
青森県の大間と函館間のフェリー乗車時間は約９０分程です。

青森県まで車で行く方法の他にも、京都府の舞鶴まで行き、そこから舞鶴と小樽間を運航するフェリーに乗って向かう方法もあります。

後者の場合、所要時間は約26時間と青森まで車で行く場合よりも長時間かかります。運転の疲労をなるべく軽減して、支笏洞爺国立公園観光を満喫したいという方にはこちらのルートがおすすめです。

支笏洞爺国立公園の観光名所は？

・苔の回廊

支笏湖の湖畔に、苔の回廊と呼ばれる場所があります。ここは、全国の苔スポットの中でも珍しく、辺り一面が苔に覆われているスポットです。一歩足を踏み入れると、まるでジブリ映画のトトロの世界に足を踏み入れたような、不思議で美しい空間が広がっています。

・ポロピナイ展望台

支笏湖や樽前山などを一望できる展望台です。手前に樹海があり、湖自体を全て見渡すことはできないですが、無料で入ることができるので気軽に訪れることができます。

・地獄谷

今から約1万年前の笠山という山の噴火によってできた場所です。約11ヘクタール、東京ドーム2.3個分の敷地面積を有しています。谷に沿って湧出口や噴気孔があり、煮えたぎった温泉源の湯気が噴き出ています。
ぐつぐつと煮えたぎっている様子から、鬼の住む地獄、地獄谷という名称がつけられました。奥に進むと足湯もあるので、広大な景色を眺めながらほっと一息休むことができそうです。

・温泉市場

ホタテやウニ、サーモンがのった北海道ならではの海鮮丼や、北海道産小麦100％で作ったご当地メニューのピリッと辛い閻魔やきそばが味わえるスポットです。他にも、甘みの強い北海道牛乳を使用したソフトクリームも食べられます。
登別温泉近くの温泉街エリアにあるので、温泉でゆっくりと一息ついた後は、ぜひ立ち寄りたいスポットです。

支笏洞爺国立公園のモデルコースは？

ここからは、支笏洞爺国立公園を充分に満喫するための4泊5日おすすめモデルコースをご紹介します。

2大カルデラ湖満喫コース

支笏湖と洞爺湖の2大カルデラ湖と呼ばれる広大な湖を余すことなく満喫できるコースをご紹介します。

初日：新千歳空港から車または路線バスで1時間ほどにある支笏湖畔宿泊施設に宿泊します。

2日目：徒歩5分程の支笏湖へ向かい、事前に予約しておいたダイビングツアープログラムに参加します。
その後は車、もしくはバスで再び1時間ほど移動し、定山渓温泉へ向かって温泉に浸かったり、温泉街をのんびり散策したりします。
次は、そこからさらに車で1時間ほどした場所のサイロ展望台にのぼり、洞爺湖などがパノラマでみられるスポットで絶景を楽しみます。

大自然を眺めた後は、車で15分の宿泊施設のある洞爺湖温泉に行き、温泉や洞爺湖グルメを堪能して休息します。

3日目：ゆっくり身体を休めた後は洞爺湖温泉から徒歩10分程の場所に位置する、洞爺湖温泉中央ボート乗り場へ移動します。そこからボートに乗り、洞爺湖に浮かぶ中島を散策します。
自然豊かな島の散策が終わった後は、乗り場から徒歩10分程にある洞爺湖ビジターセンター火山科学館で、洞爺湖周辺の自然や歴史についての学びを深めます。
雄大な自然を学びつくした後は、車で1時間半ほどにある笏湖温泉・丸駒温泉で旅の疲れをゆっくりほぐします。

4日目：支笏湖宿泊施設付近で、ファットバイクという通常よりも車輪の太い自転車をレンタルして七条大滝へ向かいます。支笏湖の南にある滝で、真冬は岩から染み出た水が数メートルから10m以上の長いつららとなり、幻想的な風景を創り出すスポットとして有名です。
再び支笏湖方面に戻り、今度は支笏湖の湖上でカヌー体験をします。カヌーでしか行くことのできない箇所も数多くあり、見ごたえは抜群です。笏湖温泉・丸駒温泉に戻り、もう1泊します。

５日目：樽前山７合目まで車行きます。所要時間は3～40分程です。樽前山に登ります。山頂までは約5時間半かかります。ツアーに申し込むと送迎や昼食付き、また現地ガイドの解説もあるので、楽しみながら頂上を目指すことができそうです。

最後にもう一度笏湖温泉・丸駒温泉に立ち寄り、登山の疲れを流してから新千歳空港に向かいます。車で45分程したら到着です。

支笏洞爺国立公園で体験できるアクティビティは？

支笏洞爺国立公園では、その豊かな自然を生かしたアクティビティが豊富にあります。冬や夏の時期限定のアクティビティもあるので、訪問予定の時期と合わせて、ぜひチェックしてみてください。

・カヤック

支笏湖は11年連続で日本一の水質を誇っていることで有名です。そんな支笏湖では、カヤック体験をすることができます。カヤックの下は透明になっているので、湖中にいる様々な種類の湖中の生き物を観察することができます。水中だけでなく、辺りを囲む自然や山々の姿も絶景です。

・ツリートレッキング

ツリートレッキングとは、木の上にぶら下げられたアスレチック遊具のことです。広大な森の木々の合間に貼られた吊り橋などを、頭と体を使いながら進んでいくアクティビティです。支笏洞爺国立公園の自然を遊びながら体感できるので、子供から大人まで存分に楽しめるアクティビティです。

・乗馬

八剣山の麓（ふもと）で、普段はなかなか体験することができない乗馬体験をすることができます。冬の時期は雪山をダイナミックに駆け、夏の時期は緑一面の中を優雅に馬と散策するなど、1年中楽しむことができます。

・アイヌ料理調理、実食体験

12世紀から13世紀頃に成立した、北海道の先住民族「アイヌ民族」という民族が食していた、アイヌ料理を学ぶことができるアクティビティもあります。狩猟文化が盛んだったため、イノシシやシカなど、普段はなかなか食べる機会のないものを食べる貴重な体験をすることができます。

支笏洞爺国立公園でみられる生き物は？

支笏洞爺国立公園は手付かずの自然が多く残り、また水や森の資源も豊富にあります。ここからは、支笏洞爺国立公園で観察することができる動物をご紹介していきます。

・エゾヒグマ

ヒグマは、ホッキョクグマと並びクマの中でも大きな種類のクマです。エゾヒグマは日本では北海道にしか生息していません。雑食で、人を襲ってしまうこともあるので、山や森に入る際は熊除けの装備は必須です。

・キタキツネ

北海道付近にしか生息していないキツネです。本州や四国のキツネよりも体が全体的に大きく、足の裏や足首が黒いのが特徴です。

オオカミのように凛々しく、犬のように可愛らしい見た目ですが、餌などをあげると生態系のバランスが崩れたり、近づくと噛まれたりする可能性もあります。見かけたときは、遠くから静かに観察するようにしましょう。

・エゾリス

北海道にしか生息していないリスです。本州にいるシマリスは、身体に茶色と白の縦じま模様が入っているのに対し、エゾリスは腹部が白でそれ以外は茶色い毛で覆われているのが特徴です。冬には耳や尻尾の毛が伸びてふわふわとした形状になるのも特徴の１つです。

北海道や東北地方に生息している、天然記念物です。体長はだいたい50㎝前後で、キツツキの中でも大きな体をしているので、名前にクマがついたとされています。身体は黒く、頭の一部が赤色なのが特徴的です。

支笏洞爺国立公園近辺のおすすめホテルは？

・登別グランドホテル

支笏洞爺国立公園から26kmほどの場所にあるホテルです。部屋は広く、温泉も広々としていて、家族連れにはぴったりの宿です。夕食のバイキングは焼き立てのステーキや海鮮丼、ボイルした新鮮なカニなどが食べられます。

・緑の風リゾート きたゆざわ

このホテルの特徴は、なんといっても森の中で温泉に入れるところです。泉質は柔らかく、旅の疲れをしっかりとほぐしてくれます。
部屋から温泉に向かうまでも廊下も、木々や空などの自然を感じながら移動できるよう工夫されています。都会の喧騒を忘れて、自然の中でゆっくり休みたいという方におすすめです。

・天然温泉 樽前の湯 ドーミーイン苫小牧

費用は抑えつつ、上質な宿に泊まりたい！という方におすすめのホテルです。名前にも入っている通り、このホテルの温泉は天然の温泉で、源泉が湧き出るサウナもついています。時期にもよりますが、1泊7千円前後というのも嬉しいポイントです。

・ホテルウィングインターナショナル苫小牧

特別な食事や温泉はなくても良いから、とにかく費用を抑えたい！という方におすすめのホテルです。室内はトイレとバスが別で、価格の割に広々としていて過ごしやすいと評判です。近くにコンビニもあり、利便性も高いです。
ただ、朝食を食べられる場所が少ないので「1日しっかり動くために、朝食はしっかり食べたい！」という方は、朝食付きのプランを予約しておくのがおすすめです。

・クイーンズホテル千歳

レンタカーを借りずに旅行を予定しているから、なるべく空港の近く、もしくは空港までの送迎があるホテルを選びたい！という方には、こちらのホテルがおすすめです。バス送迎時間外でも、新千歳空港までタクシーで10分なので、旅行最終日が午前中の便でも慌てずに行動できます。
ホテルの1階には和食を中心とした料理が楽しめるレストランがあります。周辺には、焼き肉や寿司、フレンチや居酒屋など食事処もたくさんあるので、気分に合わせて食事ができるのも嬉しいですね。

支笏洞爺国立公園近辺のおすすめカフェは？

・カフェミントブルー

「海辺にぽつんと立つ、三角屋根の白いカフェ」。まるで、絵本の中に描かれているような素朴で可愛らしい佇まいのカフェです。地元では苫小牧の海と愛されている、太平洋に面した海を眺めながら軽食を取ることができます。蒸らして淹れたコーヒーは、コーヒーが苦手な方でも飲みやすいと人気です。

・ドレモ ルタオ

辺り一面の木々に囲まれ、川のせせらぎや小鳥のさえずりさえ聞こえてくるカフェは、まさにおとぎ話の中にいるような気持ちになれます。
1600坪という広大な敷地をもつドレモ ルタオには、パン工房もあり、焼き立ての美味しいパンを味わうことができます。その他にも、100％北海道小麦を使ったパスタや、クリームチーズをふんだんに使ったふわふわのパンケーキなどもあります。カフェスペースは大きなガラス越しに外の自然を眺めることができるので、食事もより美味しく感じられること間違いなしです。

・LOG BEAR (ログベアー)

支笏湖畔にある、落ち着いた雰囲気のお洒落なカフェです。ログハウスの造りなので、辺りの自然の雰囲気ともよくなじんでいます。人気は重量感のあるチョコレートケーキです。ブレンドコーヒーによく合うと口コミでも多くの人が評価しています。
また、オレンジジュースも搾りたてのようなフレッシュさで美味です。
こじんまりとしたカフェなので、1人旅にぴったりのカフェです。

支笏洞爺国立公園のおすすめお土産は？

ここからは、支笏洞爺国立公園のおすすめのお土産をご紹介していきます。職場や友人へのお土産としてだけでなく、自分用にも買っておきたい！というような魅力あふれるお土産ばかりなので、ぜひここでチェックしてみてください。

・洞爺湖キャラメルプリン＆洞爺湖白雪みるくぷりん

支笏洞爺国立公園内のサイロ展望台にしか売っていない商品です。伊達市の牧場「牧家」で育った牛乳をふんだんに使った、濃厚で口当たりの滑らかなプリンで、甘党の方にはたまらない一品です。

・北海道馬油

馬油とは、文字通り馬を使って作られた天然の動物性油です。馬のたてがみや腹の脂肪などを煮立たせて、不純物をろ過して抽出された油で、肌の保湿に優れた効果を発揮します。特に、無添加なので敏感肌や乾燥肌の人に嬉しい商品です。普段から美容に気を使っている人への手土産として喜ばれること間違いなしです。

・木彫りの木刀

洞爺駅からバスで約15分程の場所にある「越後屋」では、あの人気漫画「銀魂」の主人公が愛用している、洞爺湖の文字入り木刀を手に入れることができます。
また、自分の好きな文字を入れることもできるので、木刀好きな友人に送ると喜ばれるでしょうし、旅行の思い出として自分用に買っておくのも素敵ですね。

ここまで、支笏洞爺国立公園についてのご紹介や、おすすめスポットなどをご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか？この記事を参考に、ぜひ支笏洞爺国立公園を訪れてみてくださいね！